Amazon内容紹介より
とある出版社の本社移転プロジェクトに参画することになった立華と工兵。
とはいえ請け負ったのは一部ルーターの移設作業だけ……だったはずが、あまりの惨憺たる状況にプロジェクトマネージャーが逃亡。その代打を工兵が無茶振りされることに。
新人にはハードルの高すぎる未経験の業務を前に途方に暮れる工兵。
期限は容赦なく迫り、ベンダー各社はごねまくる。
はたして工兵はPM業務を完遂できるのか!?
そして立華のプライベートの一端も明かされるシリーズ第4弾!
「なれる!SE」シリーズの第4弾。簡単にこれまでのおさらいを。
1巻で弱小ベンダー・スルガシステムのエンジニアとして、無事に(?)第一歩を踏み出した桜坂工兵くん。
2巻で運用と構築の関係性を学びました。
3巻では大手商社に提案活動。営業とはなんぞや…を体得。
4巻では、なんとプロジェクト管理!
前巻で受注したシステム構築がやっとのこと完了してホッとしたそのとき、桜坂工兵くんとその上司である室見立華ちゃんは、運の悪いことに六本松社長に捕まり、意味もわからずあるプロジェクトのキックオフへ連れてこられました。
なんでもベターメディアという会社の本社移転プロジェクトだそうで、スルガシステムはWANルーターの移設と確認作業を受注したとのこと。
毎回毎回見事なデスマーチに巻き込まれる工兵くんと立華ちゃんにしてみれば、それほど大変な作業ではありません。突然舞い込んだ案件ではありましたが、これならなんとかなりそうです。
けれど、そんな軽い案件なんて、このシリーズでは存在しない!
いや、存在してはならないのです。
このプロジェクト、顧客は自分の要求は押しつけるけど非協力的。プロジェクトに参加している業者さんたちの担当範囲も体制も、全く決まっていない。でも2ヶ月後には本社が移転するということだけは決定。もうこれは修羅場なのです。
キックオフの直後、この状況に耐えられなくなったPMが逃げ出してしまい、顧客側の役員がたまたま雑談していた六本松社長に助けを求め、お調子者の六本松社長はたまたま一緒にいた工兵くんに無茶振り。
結果、ひよっこエンジニアになってわずか4ヶ月足らずの工兵くんは、大規模プロジェクトのPM(プロジェクトマネージャー)を仰せつかるハメに陥りました。
いや、ホント、あり得ない展開です。
プロジェクトとはなんぞや?という状況のピヨピヨ新人くんが、そのプロジェクトを管理しなければならないのですから。
工兵くんの著しい成長振りは、ちょっと冷静に考えてみると現実離れしすぎています。
でも、何度も挫折を繰り返して苦しんでいる工兵くんの様子が、読んでいるこちらの胃がキリキリしそうなほどリアル。
そこまで本気で悩んで苦しんだなら、そりゃあり得ないほどの大役もこなせちゃうよねと思っちゃいます。
さてさて、このシリーズで毎巻登場する新ヒロイン。
今回は、扶桑通建のエンジニア、薬院加奈子ちゃん。
男所帯の会社内において、誰を相手にしても物怖じせず、納得いかない要求には最後まで戦って現場を守る彼女は、みんなから一目置かれ、かわいがられている存在。
PMとしてなんとか厳しい納期内に作業を押し込めようとする工兵くんと、現場の作業員に無理させまいと頑張る加奈子ちゃんは、最初っから対立モードでした。
自分の仕事に真っ正面から向き合う姿勢は通ずるものがあるので、最後には理解しあうのですが。
前巻で登場した橋本課長と工兵くんの関係もまた少し進展があったよう。
いつの間にやら二人は飲み仲間になっていました。
この橋本課長、ビジネスの場では蝋人形のごとき無表情な顔で、冷静沈着な立ち振る舞い。およそ人間味が欠片も見られないような女性なのです。
が、プライベートはというと可愛いどころかかなりはじけた女性になります。特にメールの中で。
あの橋本課長が、どんな顔して「やっはー☆ 今日のお食事会ちょー楽しみにしてるねー!♪」なんてメール打ってるんだか…。
新たな展開といえば、仕事人間・室見立華ちゃんのプライベートも少し垣間見えました。
年齢不詳・経歴不詳な立華ちゃんの過去はまだまだ謎だらけ。
これから明かされていくのが楽しみです。
工兵くんは社会人となってからわずか半年足らずのあいだに、SEとは何かを学び、運用と構築の関係性を学び、提案・営業活動を学び、プロジェクト管理を学びました。
お次は何が舞い込んでくるのやら…。
kindle版
購入日:2013.12.17
読了日:2015.12.25
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