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なんて素敵にジャパネスク 4 《不倫編》/氷室 冴子

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「BOOK」データベースより
吉野で会った峯男の正体が高彬の乳兄弟・守弥であったことを知って驚く瑠璃姫。
さらに煌姫からの衝撃の告白を受ける。かつて、守弥と手を組んで瑠璃姫と高彬の仲を引き裂くために高彬を誘惑したことがあるというのだ!
真相を問いただすべく、すぐに守弥を呼びつけるが、そこに血相を変えた高彬が乗り込んで来た。瑠璃姫が男と密会しているという投げ文があったらしい…。
瑠璃姫、絶体絶命。

ようやく筒井筒の髙彬との結婚できた内大臣家の総領娘の瑠璃姫。
嬉し恥ずかし新婚生活♪のはずだったのに、髙彬の様子が変。
どうやら人妻になった瑠璃にあらぬ興味を持つ男がいるらしく、髙彬は異様なほどに嫉妬の炎を燃やしているのでした。
そんなとき、とある若者が瑠璃の元にいる新参女房に言い寄っていることがわかったのですが、この若者、髙彬の嫉妬をあおっている張本人・帥の宮に仕えているというのです。
帥の宮、一体何を企んでいるのやら…というところで、前巻が終わりました。

ワケのわからぬことが起きて不安に駆られている瑠璃のもとへ、居候である煌姫からの反撃が。瑠璃から嫌われているらしいことを察知した煌姫は、かつての守弥の策略を瑠璃に話します。

だって瑠璃姫は、あたくしを嫌っておられるでしょう。
今日という今日、それがはっきり、わかりましたの。
下手をしたら、あたくし、明日にでも、追いだされかねませんわ。
でも、あたくしも、水無瀬の煌姫。
瑠璃姫の顔色を窺ってまで、居候させていただこうとは思いませんわ。
ですから、追いだされる前に、洗いざらい申し上げて、瑠璃姫に、すこぅし、驚いていただきたかったの。
いわゆる、行きがけのお駄賃、というわけですわねえ

瑠璃姫じゃないけれど、どこの世界に『行きがけの駄賃』なんていう宮姫がいるというのでしょう。この煌姫もとんでもない姫です。
頭の回転の速さとシビアで現実的な思考回路、加えて肝の据わり具合も飛び抜けていて。
男に生まれていれば…と悔やまれますねぇ。

さて、煌姫の告白で衝撃を受けた瑠璃は、事情を問いただすべくこっそり守弥を呼びつけました。
けれど、守弥が忍んできたちょうどそのときに髙彬が乱入。男と密会しているという投げ文を受け取って、血相を変えて飛び込んできたのです。
鬼の形相で小太刀を振り回す髙彬に、瑠璃は腰が抜けるほど恐怖を感じました。
そして瑠璃は、髙彬を嫉妬の塊のようにしてしまった帥の宮を、成敗してしまおうと決意するのです。

帥の宮成敗のためのチーム員は4人。
瑠璃姫、小萩、煌姫、守弥。
宮家の煌姫と、髙彬の乳兄弟の守弥。
身分はだいぶ違うけれど、この二人は寄ると触ると大騒ぎです。
煌姫の上から目線の言葉を、守弥が冷静に皮肉り、プライドを傷つけられた煌姫が反論。さらに守弥が…という感じで。
あの瑠璃姫が、まさかの仲裁役です。
いいキャラクターになってきましたね、この二人も。

さあ、物語が動いてまいりました。
帥の宮をハメる策略を練るのは守弥。
彼は頭がいいのだけれど、肝心なところでポカをやらかしますからね。
今回の策も巧くいくのかいかないのか。
今のところ、髙彬よりも瑠璃の近くにいる気がしますね、守弥って。
瑠璃との結婚に大反対していた守弥が瑠璃と仲良くなったと聞いたら、髙彬は喜ぶの…かな。自分が知らないところで動いてるなんて、ちょっと複雑?
続ジャパネスク・アンコール」までの髙彬は、とっても格好良かったのに、人妻編以降は嫉妬に狂い過ぎちゃいました。
読者の好みも、髙彬派が減って守弥派が増えちゃいそうな流れです。
このあと、盛り返せるかな?
それとも『帥の宮派』も出てくるような流れになるのかな?
楽しみです。

Kindle版
購入日:2014.03.23
読了日:2016.03.08

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