「ＢＯＯＫ」データベースより
大型案件から外され、雑用のような他社会議の議事録取りを任されたＪＴ＆Ｗの梅林。
こんな仕事さっさと片付けて、と思っていたところ、遅れて会議に現れたのはかつて苦渋を嘗めさせられた、新興ベンチャー・アルマダの次郎丸縁だった。
「ビジネスの匂いがするんです」つまらない仕事だと決めつけていた梅林に次郎丸は共闘を持ちかけ、その言葉に梅林の反骨精神が燃え上がる！
そのほか、ガテン系女子の薬院加奈子、初めての合コンの巻、最近お太り気味の工兵に立華がダイエット指南の巻、社長・六本松が現場で大暴れの巻とバリエーション豊かな全4編を収録！
これまでのシリーズで中・短編集は、「なれる！ＳＥ 6 楽々実践？サイドビジネス」と「なれる！ＳＥ 10 闘う？社員旅行」の２冊。
今作は中・短編集第３弾。
エピソード１ 世にも奇妙な？ビジネスアライアンス
かつて業平産業の案件を巡って、桜坂工兵くんたちと闘ったＪＴ＆Ｗの梅林。
業界最大手の通信会社に勤める彼でしたが、最近は案件を取り逃がすことも多かったせいか、雑用のような他社会議の議事録取りを任されてしまいました。
そこで出会ったのは、大手建設会社の案件で梅林を完膚なきまでにたたきのめした、新興ベンチャー・アルマダの次郎丸縁。
議事録取りを任されたのは、「アズマ電器 社内ワーキンググループ」の会議。
社内のシステムをよりよくしていくための会議のはずだけれど、どうも様子がおかしいのです。ただただ時間つぶしに会議を開いているようだし、若手の意見もことごとく潰していくし…。
そこにウラがあるとみて探りを入れようと梅林に声をかけた次郎丸縁。
無気力会議の真相を暴くべく、二人で闘うことになりました。
梅林さんと縁ちゃん。意外な組み合わせ。
二人のキャラクターへの理解もより深まりました。
梅林さん、ただの嫌らしいエリートじゃなかったのねぇ。
結構、熱いキャラのようです。
でも過剰すぎる自信のせいで、最後の最後に落とし穴にはまっちゃった気もするけど。
そこがまた愛嬌があっていいのかも。
エピソード２ ガテン系？女子の幸せ獲得術
シリーズ第４作目に初登場した扶桑通建の薬院加奈子ちゃんが主人公。
25歳の加奈子ちゃん。職場ではごっついオジサマたちに囲まれて可愛がられている彼女ですが、私生活では男っ気ゼロ。恋愛する気もないようです。
それを心配した友達が、合コンをセッティングしてくれました。
けれどそこに現れたのが、なんと桜坂工兵くん！
さてさてこの合コン、どうなることやら…。
スルガシステムの立華ちゃんを心から敬愛する加奈子ちゃんです。だから工兵くんにはジェラシーというかなんというか、そんな気持ちを抱いているようで。
でもこのお話の中だと、別の気持ちも芽生えてくるような気配も…。
加奈子ちゃんの春は遠いようです。
エピソード３ 社長が働く？日
有能な怠け者はＰＭに、有能な働き者は設計エンジニアに、無能な怠け者は現場作業員に、無能な働き者は銃殺にせよ
そんな言葉で幕を開けるこのお話。
スルガシステムのトラブルメーカー、六本松社長。
彼がやる気を出せば出すほど、周りが迷惑を被ることになるのです。
今回もそんなお話。
「回線とか機材の調達、他社でも納期が厳しいという話が出てまして…。御社は大丈夫ですか？」
そんな顧客からの質問に六本松社長はこう答えます。
「弊社は多少無茶な納期でもよろしく調整してみせますよ。何せ優秀なエンジニアが揃ってますから！」
いやいやいや…。
調達部分の話とエンジニアのスキルって繋がらなくない？
六本松社長、とにかく顧客に対しては「ＮＯ！」とは言いません。
安請け合いしては下に丸投げなのです。
けど今回は、自分自身が機器調達の責任者になると言い出しました。
果たして…。
結果は冒頭の言葉通りです。
『無能な働き者は…』
自分は巧くやってると思い込んでるからさらにやっかい。
この会社がもってるのは、ひとえに社員が優秀だから…なんですよねぇ。
本当の敵は強い競合ではない、無能な同僚である
工兵くん、立華ちゃんたちの、心の叫びかもしれません。
エピソード４ 立華ズ・ブートキャンプ
ちょっと身体の線が気になり始めた工兵くん。
同じように不規則生活を送っている立華ちゃんには、贅肉の「ぜ」の字も付いてない。
ツナ缶が主食の立華ちゃんに、ダイエット指南をお願いした工兵くん。
さてさて、結果はいかに。
立華ちゃんって、生い立ちだけじゃなくて体質も異常なんですって。
この中・短編集、シリーズ14冊目です。
でも時系列はちょっと入り組んでいるみたい。
あとがきによると…。
エピソード１は、立華ちゃんが退職騒動が起きていたころ。12巻あたりのお話。
エピソード２とエピソード３は、11巻より以前のお話。
エピソード４は、8巻目くらいのお話だそうです。
中・短編集だと、普段はちょこっとしか登場しないキャラクターにスポットライトが当たったりするので、楽しいです。
全く胃が痛くなることもなく読み進められますしね。
ちょっとした息抜きのような一冊でした。
Kindle版
購入日：2016.03.11
読了日：2016.03.14
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